学校での和楽器教育

水道管として安価で販売されている塩化ビニールパイプを利用した、横笛づくりに挑戦。
学校教育
Classroom Report
 

4.研究のまとめと今後の課題

(1) 抽出生徒の変容

[一]生徒A

生徒Aはこの授業の前までは「音楽には全く興味がない」と言っていた。しかし、この授業に関しては常に前向きに活動でき、楽しかったと答えている。音色の変化についてどう思うかという問に対し資料37のように述べている。音色による表現の豊かさを、他の楽器と比べながら、その価値を語っている。また、人によって音色が違っていたことを感じ取り、それが演奏の個性やすばらしさに通じていると気付いている。これらのことは、音色に対する感性が育てきた姿であると捉えられる。資料38から、生徒Aがこの授業を通じて筝の奏法を利用しながら、工夫する楽しさを味わうことができたとわかる。

<資料37>生徒A:音色の変化について

<資料38>生徒A:授業全体を通じての感想

<資料39>生徒B:音色の変化について

[二]生徒B
筝の音色の変化について資料39のように述べている。音色に対する感性を働かせ、変化を捉えることができている。また、自他の演奏を通して、筝を演奏することが自己表現や他を理解する手段になると捉えている。生徒Bにとっては、自分を表現しやすい活動であったようだ。この授業を大変肯定的に捕らえている。私は、自分の思いを伝える手段を見つけた生徒Bが生き生きと活動できたのだと考えている。

このような2人の姿から、日本伝統音音楽と筝の特性を生かした創作表現活動は、音・音楽への感性と、表現力を育てることができると言える。

このことは、帰りの会での「今月の歌」の歌唱にも表れてきた。大きな声だけだった意識の中から、歌詞の内容を音楽内容で表現していこうとする姿が見られるようになった。

(2) その他の実践中の様子から

本年度、当中学校の生徒全員が筝に触れた。全員、筝の授業が楽しかったと言ってる。音楽を苦手と感じている生徒が、この実践中は音楽室にどの子よりも早く来て、意欲的に筝に触れていた。資料40の生徒は筝を使った創作表現活動をよく楽しんでいた。レディネスが0であるだけに、日本の楽器は音楽を見直す良い機会になっていると言える。

  • 創作活動中は、平調子の心地よい音階のせいか、常に穏やかな雰囲気になった。音色を聴き味わい、感性を磨くにはとても良い。
  • 発表の時には、どの演奏にも興味を持って聴けた。聴きのがすまいとする様子が伺えた。良いところを認める声しかなかた。他のグループの演奏をやってみたいと感じ、試し弾きする姿もあった。
  • 3人一組の活動は、効果的であるといえる。二人で弾いている時に、もう1人がその演奏を吟味している場面を見ることができた。
  • 生徒が1時間の流れを見通せる学習プリントが、週1時間という少ない時間数の中では、意識を継続させるのに効果的であった。

<資料40>授業終えての感想

(3) 今後の課題
・3年間を見通した筝の音色を素材とした創作表現活動の学習を考えていきたい。資料41は、ある生徒が次に授業で取り組みたい内容である。生徒の思考の流れを生かして作成していきたい。

<資料41>授業を終えて:次に授業で取り組みたいこと

・創作表現活動のテーマ設定の仕方についての研究を進め、生徒がイメージを持ちやすい展開を考えていきたい。
・この実践が、歌唱における表現の工夫やリコーダーの演奏にどのような変化をもたらしてくるのか、今後も継続的に研究していきたい。

 
 



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