雅楽器

荘厳で崇高な世界
すべての和楽器がここにたどり着く

雅楽器といいますと、まず皆さんご存知の『笙(しょう)』、そして『篳篥(ひちりき)』と『龍笛(りゅうてき)』ですね。『龍笛』はいわゆる『横笛』ですが、『笙』と『篳篥』はそれぞれ和楽器では他に類のない構造が特徴的です。
ます『笙』ですが、このように長短の竹を組み合わせてそれぞれに振動体である『リード』が付くという、実に精巧な構造となっています。演奏時にも注意が必要で、呼気が楽器内で結露すると音程が狂ったり、音が出なかったりするため、直前まで炭火などで楽器を暖めていなくてはなりません。
次に『篳篥』ですが、これは2枚の『舌(ぜつ)』と呼ばれる『リード』を合わせた縦笛で、大音量と自在に抑揚がつけられることが特徴です。その構造からも『オーボエ』に近い楽器といえそうです。雅楽における『横笛』は『龍笛』の他に『高麗笛』や『神楽笛』が用いられます。

弦楽器では『琵琶』や『筝』、『和琴』などが雅楽では用いられています。といっても、『琵琶』も『筝』も通常のものとは若干異なり、それぞれ『楽琵琶』『楽筝』と呼ばれています。

打楽器では大型の締太鼓である『大太鼓』、鋲止太鼓の『楽太鼓』、樽型締太鼓の『鞨鼓』、くびれた銅の『三ノ鼓』、鐘は『鉦鼓』など、ほとんどの和楽器の原型が雅楽器には含まれているのです。