三味線のトラブル実例

皮の破れ

皮の破れをトラブルと言えるかどうか、難しい問題です。猫や犬皮を使っていれば必ず破れる時がきますし、仮に破れなくても良い状態を保つために、定期的に張り替える方もいらっしゃいます。ただ言えることは、湿度や温度に気を配れば、皮は長く持ちます。特に梅雨から梅雨明けにかけて、ご注意ください。

胴の変形

三味線の胴というのは、4枚の板が組み合わせた構造になっています。その接着には釘やビスなどはもとより、木製のくさびなども用いず、ニカワをつかって張り合わせてあります。それを表裏に皮を張ることで維持していると言えます。左に写真の三味線は、その胴板の接合面が歪んでしまっています。これは、表・裏、いずれかの皮が破れた状態で、長期間放置されたことが原因と思われます。
皮が破れた場合はなるべく速やかに張りなおすよう心がけましょう。

糸巻きの不具合

糸巻きはデリケートな部分だけにトラブルの多い部位でもあります。よくよく考えれば弛んで当然という構造になっている糸巻き。しかしそれは、演奏内容によって瞬時にチューニングを切り替えるうえでの必然とも言えるのです。右の写真の糸巻きは金具が外れてきています。糸巻きについては具合が悪くなって、止まらなくなってきたら、専門店に修理を依頼してください。良い状態を保つ、それが上達の早道です。